現代の布広告について

 

染太郎の代表の影山です。
屋外広告(主に布もの)の世界に入って30年近くが経過しました。
百貨店の「垂れ幕」や、街でみかける「のぼり旗」などを見る限り、時代がこれほど変化したにもかかわらず、大きな差異は認められません。

 

安全第一主義でよいのか

むしろ「のぼり旗なんて、所詮こんなもの」「垂れ幕なんて、どうせこのレベル」と、製作する側に「変化を嫌う体質」であったり、過去の成功例からしか引用できない「安全第一主義・無難第一主義」的な、高度経済成長期にしか通用しない「他人と同じなら安全」という意識が残っているのが原因です。

旗の業界は、はっきり言って「昭和の遺物」「おじさん・おばさん感覚」の人達ばかりです。
アンテナの高い人は、広告業界でも別の世界で勝負しています。

確かにこの10年位の間にデジタルプリントが一般化され、様々な材質の生地が現れ、業界の長年の懸案だった「写真や複雑なグラフィックもの」の布へのプリントは簡単になりました。
でもこれって「単なるテクノロジーの進歩」なだけの話です。
従って、業界の人たちは「最新プリンターの動向」や「値段の推移」の話だけに集中しています。

 

時代感覚をもったデザイン

でも本当の問題は、旗にプリントされている「時代感覚を持った言葉」だったり「ウイットに富んだユニークな表現」だったり「なぜか目を引く強いインパクト」だったんじゃないのでしょうか?
それが広告物というもんでしょ?
いつからプリンターに「おんぶにだっこ」になったのでしょうか?
写真が入っていれば「ひとまず安心」なんですか? グラデーションとか英文を入れときゃ「何となくカッコいい」んですか?

 

サイタマ・ストリート・アーティスト

 

弊社は埼玉県にあります。
近くには埼玉スタジアムや西武ドームなどがあり、スポーツ好きの私もしばしば訪れますが、最近とりわけ目につくのが、観客のみなさんが自作したと思われる「ゲートフラッグ」です。
1m角位の布に油性マーカーなどで描いていると思われますが、短い言葉やイラストで表現するそれらは、非常にインパクトがあり、なかなか力強いものです。
それもそのはずで、自分のまわりに数百本の似た様なフラッグが掲出される訳ですから、その中で「どうしたら目立つか?」「気の利いた言葉は何か?」を必死で考えた結果が強い情熱とともに表現されているからです。
みなさんも目に覚えがあると思いますが、ニューヨークなどのストリート・アートに近い鋭い感覚を覚えます。あれって、インパクトありますよね。カッコいいし・・・。

よりポップに、よりロックに!!

私自身は次世代の布広告物はこの「ストリートアート的・ポップアート的」になるはずだ・・と確信しています。

だってロック・ミュージックが日本に定着して40年以上(ビートルズの来日が1966年)だし、飲食店などで何気に目にするアートもモネやセザンヌというよりは、アンディ・ウォーホルだったりキース・ヘリングだったりロイ・リキテンスタインだったりする訳です。
ファッション業界では、ポップ化・ロック化なんて当たり前中の当たり前。

20世紀の近代~現代アートは、印象派~抽象~戦争を経て、もう何でもあり状態になってしまって収拾がついていない感がありますが、1950年頃から出て来た「ポップアート」は大量消費の時代感とマッチして現代の広告物に活かされていると感じています。
とかく芸術というと我々の生活とは距離感を感じてしまうものですが、一般大衆文化に落し込めるアートが20世紀に生まれて良かったです。

 

戦後も高度経済成長も終わりました。旗業界だけ「大売り出し」や「一球入魂」という言葉でもないでしょう。

ワールドワイドなポップ感覚の中に「日本的アート」を添えて表現していきたい・・・と考える次第です。
「もっとロックする旗」「もっとポップなフラッグ」「もっと東洋な神秘」が街にいっぱいになったらワクワクしちゃいます!
ご理解いただける方々と共に、新しい文化を演出していきたいと考えています。

染太郎  代表取締役  影山 洋